得意なことだけやらせるのは、甘やかしでしょうか

こんにちは。株式会社TIMの梅田です。
今日は、私が7年間ずっと間違えていたことについて書きます。経営者やリーダーの立場にいる方には、たぶん心当たりのある話だと思います。
きっかけは、去年の夏の出来事でした。一度会社を離れていた、創業期からの仲間が戻ってきてくれたんです。以前このブログで、「頼む、戻ってきてくれ」とプライドを投げ捨てて懇願した話を書きましたが、あれの後日談です。
彼が一つのポジションに入ったことで、全員の役割が少しずつずれました。そしてずれた結果、それぞれが自分の得意なところに収まった。
顔つきが、まったく違うんです。
それを見ていて、私はうれしくなる前に、正直ゾッとしました。
Contents
みんなを苦手な場所に置いていたのは、私です

だって、そういうことですよね。
配置が少しずれただけで全員が得意なところに収まったということは、それまで全員が、得意ではない場所に立ち続けていたということです。
では、誰がそこに置いていたのか。
私です(笑)
笑い事ではないんですが、あの時は笑うしかありませんでした。
私は長いこと、まったく逆のことをやっていました
ここからが、今日の本題です。
私はずっと、人を成長させるには、苦手なことや嫌なことをやらせるべきだと思っていました。
得意なことばかりやらせていたら、その人は厚みが出ない。だから、あえて苦しい役割を渡す。それが本人のためだ、と。
良かれと思ってやっていました。でも最近、これはかなりの部分で逆だったな、と感じています。
居心地の悪さは、確かに人を成長させる。ただし

誤解のないように書きますが、私は今でも、居心地の悪さには意味があると思っています。
一つのことに極端に寄せて、逃げ場のない状態で踏ん張る。あれで人は伸びます。これは間違いありません。
ただ、問題が一つあります。その偏りの重圧に耐えられる人は、そんなに多くないということです。
耐えられる人にとっては最高の成長機会でも、耐えられない人にとっては、ただの消耗です。そして潰れます。潰れたら、何の意味もありません。
しかも厄介なのは、潰れる直前まで、こちらからは分からないということです。彼らは、しんどいと言わずに離れていきます。
たぶん、異常なのは私たちのほうです

ここは、経営者やリーダーの方にこそ読んでほしいところです。
世の中の大半の人は、そもそも「働きたい」と思って働いているわけではありません。「自分に必要だから成長しよう」と考えている人も、正直に言えば、そんなに多くない。
一方で、私たちのような立場の人間は、やりたくないけれど誰かがやらなきゃいけないことを、やれてしまう。というより、やれるからその席に座っているんですよね。
だから、つい前提にしてしまう。「やりたくなくても、必要ならやるだろう」と。
でも、たぶん違うんです。やりたくないことはやりたくない、というほうが、人として正常なんだと思います。
異常なのは、私たちのほうです(笑)
その異常な基準を全員に当てはめて、「なんでやらないんだ」と苛立っていたのが、これまでの私でした。
「もっと頑張れよ」と思う瞬間は、今でも正直たくさんあります。でもそれは私の基準で見ているからそう見えるだけで、本人はたいてい、精一杯やっているんです。そこを見てあげないと、人は本当に潰れます。
苦しさの中で磨くことは、本人が選ぶこと
念のため、もう一度書きます。
苦しさの中で能力を磨くことは、今でも必要だと思っています。私自身、それでしか手に入らなかったものがある。
ただ、それは、必要だと思っている人がやることです。
経営者が「お前のためだ」と言って外から渡すものではない。渡した瞬間に、それは成長機会ではなく、ただの押し付けになります。
その先に行きたいと本人が言い出したときに、初めてその話をすればいい。そして、そういう場面を用意しておくのが、私たちの仕事なんだと思います。
得意なことだけやらせるのは、甘やかしなのか

正直に書きますが、私の中にはまだ葛藤があります。
「やりたいことだけやらせるなんて、そんな甘いのは優しさじゃない」
そう思う部分が、いまだに残っています。育ってきた環境なのか、性格なのか、簡単には消えません。
それでも今は、こう考えるようになりました。
本人が得意なことをやって、幸せそうにしている。その状態でないと、そもそも続かない。続かないものは、成長でも何でもない。
だとすれば、得意なことだけやらせてあげることは、甘やかしではなく、一番現実的な優しさなんじゃないか。
そして、これは優しさではなく設計の話です
「得意なことだけやってくれ」と言うのは簡単です。でも、言うだけでは絶対に実現しません。
誰かが得意なことだけをやれるということは、その人がやらなくなった仕事を、別の誰かか、別の仕組みが引き受けるということだからです。
つまりこれは、優しさの話であると同時に、完全に設計の話なんですよね。
みんなが得意なところに収まる状態を、どう作るか。それを考えるのが、今の私に求められている仕事なんだと、ようやく思えるようになりました。
白状すると、一番得をしたのは私でした

最後に、かっこ悪い話を一つ。
みんなが得意なところに収まった結果、誰よりも楽になったのは、実は私でした。
それまでの私の一日は、目の前で起きた問題を片付けることで終わっていました。トラブルの火消し、判断待ちの案件、誰かの穴埋め。夜になって「今日も忙しかったな」と思うけれど、何が前に進んだのかと聞かれると、答えられない。
それが今は、人に会いに行く時間があり、まだ形になっていない話に時間を使えています。半年先のことを考える余白がある。……これ、本来の社長の仕事ですよね(笑)
おかげさまで設備工事の事業も伸びました。ただ、私が頑張ったからではありません。私が現場の邪魔をしなくなった、というだけの話です。
社長が忙しいのは、誇らしいことでも何でもなかった。人の置き場所を私が間違えている、というサインだったんですね。
気づくのに7年かかりました(笑)
最後に|人を預けてくださる方へ
この話は、協力会社様やパートナー企業様に、一番お伝えしたいことでもあります。
ドライバーさんをどこかに預けるとき、一番の不安は「うちの人間が、その会社で潰れないか」だと思います。
私たちは、完璧な会社ではありません。ただ、人を配置するときに、その人が何を得意としていて、どこなら余裕を持って力を出せるかを、本気で考える会社ではあります。
・ドライバーさんは抱えているが、安定した案件が確保できない
・なかなか合う現場が見つからず、定着に悩んでいる
・一人で判断し続けていて、本音をぶつける相手がいない
そんな話こそ、大歓迎です。
協業をお考えの協力会社様・パートナー企業様は、ぜひ下記のWEBフォームからお問い合わせください。「ブログを読んだ」と一言添えていただければ、飛び上がって喜びます(笑)

独立希望のドライバー向け・事業説明会も随時開催中です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









