半年で13人辞めた会社が、次の半年では2人になった話。私が変えたのは、たった一つだけ

皆さん、こんにちは。株式会社TIMの代表を務めております、梅田です。

少し前の話ですが、ある日の夕方、事務所の片隅でドライバーさんたちが集まって、何やらゲラゲラ笑っていたことがありました。

聞こえてくる会話は、本当にどうしようもない内容です。「昨日のサウナで隣のおじさんのイビキがすごすぎて、整うどころか心配で寝られなかった」とか、そんな話。

それを聞きながら、当時の私は心の中でこう呟いていました。

「お前ら、配送の仕事の合間にくだらない話してる暇があったら、明日のルートでも確認してろよ」

口には出しません。出しませんが、顔には出ていたと思います(笑)

今日はそんな、3年前の私を一発ぶん殴ってやりたくなるような話をします。

特に、設立して間もないのに「ちゃんとした会社にしなきゃ」と肩に力が入りすぎている若手経営者の方。あるいは、異業種から軽貨物に参入して「現場の連中はなんでこんなに緩いんだ」とイライラしている社長さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です。

「真面目に経営しよう」が、なぜか会社を真っ暗にしていた

少し時計の針を戻させてください。

弊社の業績がピタッと止まり、3年間横ばいだった頃の話です。当時の私は、とにかく「ちゃんとした会社」にすることに必死でした。

仕組みを整え、ルールを作り、属人性を排除する。誰がやっても同じ品質が出せる、まるで精密機械のような組織。これこそが「プロの経営」だと信じて疑わなかったんです。

そして、私自身も「プロの経営者」を演じていました。

事務所では常に難しい顔をして、パソコンの画面とにらめっこ。仲間から話しかけられても、「ああ、それね、後で資料にまとめて出しといて」と、いかにも忙しそうに振る舞う。冷静で、論理的で、無駄のない、完璧なリーダー。少なくとも、自分ではそういう振る舞いを頑張っていたつもりです。

ところが、ですね。

ふと気づくと、事務所からは笑い声が消えていました。

ドライバーさん同士の雑談も、なんだか遠慮がちになっている。私が事務所に入ると、それまで盛り上がっていた会話がスッと止まる。

「あれ、なんか俺、めちゃくちゃ嫌われてるな……?」

業績の数字以上に、私を不安にさせたのはこの空気の変化でした。

「くだらない話ほどしなさい」と言われた日

そんな頃、ある先輩経営者の方とお酒を飲む機会がありました。

私が事務所の重い空気の話をすると、その方はビールを飲みながらサラッとこう言ったんです。

「梅田くん、優秀な上司ほど『くだらない話をするな』って言いがちなんだけどさ。本当はその逆なんだよ。くだらない話ほどたくさんさせなさい」

正直、最初はピンときませんでした。

くだらない話を、たくさんさせる? そんなことしたら、もっと現場の規律が緩むだけじゃないか。仕事の質はどうなるんだ。

そう思った私の顔を見て、その先輩はニヤッと笑いながら続けました。

「会話の中身なんて、どうでもいいんだよ。仕事の話でもいいし、仕事じゃなくてもいい。サウナのおじさんの話でも、昨日見たYouTubeの話でも構わない。重要なのはな、その場所に笑いがあるかどうかだよ

そして、決定的なひと言をくらいました。

「お前さ、あいつらの話を『くだらない』って思ってるだろ? それってさ、『お前らに興味ねえよ』って言ってるのと同じだぞ。組織のトップがそれじゃ、誰もついてこないよ。みんなが喜ぶ話を、みんなと一緒にできてこそ一人前だよ。お前のクソ真面目な話なんか誰も聞きたくないんだよ」

……返す言葉がありませんでした。

ジョッキを握る手が止まったまま、私はその夜、なかなか家に帰れなかったのを覚えています。

「低俗だ」と思っていたのは、私の方だった

家に帰って一人で考えました。

私は、ドライバーさんたちの雑談を「くだらない」と扱っていた。それは確かに、彼らの話に価値を見出せていなかったということです。

でも、よく考えてみてください。

「くだらない」「低俗だ」と感じるのは、その分野の価値を私が理解できていないだけの話なんです。サウナのおじさんのイビキの話に、本当は無限の味わい方があるかもしれない。少なくとも、その場で笑っていた彼らにとっては、それは間違いなく価値のある会話だったわけです。

それを「くだらない」と切り捨てていた私は、要するに「お前らの世界に俺は興味がない」と、毎日無言で表明し続けていたわけですよ。

そりゃあ、事務所から笑い声も消えますよね。社長が来たら会話が止まるのも当然です。だって私、彼らの世界をずっと否定していたんですから。

これに気づいたとき、私はもう、布団の中で身悶えました。

「俺、なにやってんだ……」

3年間業績が伸びなかった理由は、戦略でも仕組みでもありませんでした。社長である私が、一緒に仕事をしてくれている仲間たちの世界を、まるごと「くだらないもの」として扱っていた。それだけのことだったんです。

サウナのおじさんの話に、全力で乗っかってみた

翌日から、私は意識して変えました。

事務所で誰かがゲラゲラ笑っていたら、近づいていって「なに、なに、何の話?」と聞きにいく。そして、内容がどんなにしょうもなくても、全力で乗っかる。

「えっ、それでそのおじさん、結局起きたの?」

「いやいや社長、起きるどころか奥さんに迎えに来られてましたよ!」

「それやばいやつじゃん(笑)」

最初は、自分でも違和感がありました。「俺、何やってんだ。こんなことしてる場合か」と思う瞬間もありました。

でも、これが面白いもので、続けていると本当にその話が面白くなってくるんです。「サウナで起きないおじさん」とかいうトピック、私の人生で1ミリも考えたことがなかったのに、気づけば私の方が「で、あの後どうなったの?」と続報を聞きに行くようになっていました(笑)

何が変わったか。

事務所に笑い声が戻ってきました。私が入っていっても、会話が止まらなくなりました。むしろ「あ、社長、聞いてくださいよ!」と、向こうから話を振ってくれるようになったんです。

そして、もっと大事なこと。

弊社から離れていく仲間が、ぐっと減りました。

数字で言うと、ある半年で弊社を離れたドライバーさんは13人。ところが、その次の半年では、たった2人にまで減ったんです。これ、驚異的な変化です。私が何か特別な制度を入れたわけでも、報酬を上げたわけでもありません。ただ、くだらない話に乗るようになっただけ。

人は、自分の世界を面白がってくれる場所に、居続けたくなるんですよね。

真面目さの罠に、ハマっていませんか?

ここまで読んでくださった経営者の皆さん。

もし今、あなたの会社の事務所が、なんだかシーンとしているなら。

仲間同士の雑談が、あなたが入っていくと止まるなら。

「みんなもっと真剣に仕事に向き合ってくれ」と、毎晩布団の中で唸っているなら。

それ、もしかすると、3年前の私と同じ罠にハマっているかもしれません。

「真面目に経営する」「ちゃんとした会社にする」って、すごく正しい姿勢に聞こえます。実際、正しいんです。でも、その「真面目さ」が、仲間から笑いを奪い、社長の周りから人を遠ざけ、結果として組織を枯らしてしまうことがある。

私自身、心からそう思います。だって私が、3年間それで横ばいだったんですから(笑)

経営者として一番大事な仕事のひとつは、もしかすると、「くだらない話を全力で面白がること」なのかもしれません。少なくとも私にとっては、そうでした。

「最近の現場、どうですか?」を、一緒に話しませんか

弊社では、設立間もない軽貨物の経営者の方や、これから新しい事業を始めようとしている異業種の社長さんとの対話を、随時受け付けています。

「うちの会社、最近なんか元気ないんですよね」

「現場と社長の距離が遠くて困ってます」

「業績は悪くないんですけど、なぜか仲間が離れていくんです」

そんなモヤモヤを抱えていらっしゃるなら、ぜひ一度、私とサウナのおじさんの話でもしながら、ざっくばらんにお話ししませんか。

格好いい経営論をお伝えするつもりは、ありません。私自身、3年前まで「くだらない話するな」とイラついていた人間ですから(笑)

ただ、その失敗から得たものを、これから同じ罠にハマりそうな経営者の方とシェアできたら、それ以上に嬉しいことはないんです。

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「ブログ読みましたよ、梅田さん」と一言添えていただけたら、もう全力で乗っかります。

それでは、今日も最高の一日にしましょう!

株式会社TIM 代表取締役 梅田

   

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